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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第9章 触指

到着したのはイタリアンレストランだった。
叔母に付いて窓際の海の見える座席に案内された。

「陽翔は何食べる?…好きなの頼んでいいから……」

メニューを開いて、パスタセットにしようかなと思ってもよく解らない。
母と行くのはせいぜいファミレスだった。

【ミートソースないのかな?……カルボナーラは知ってるけど…アマトリチャーナってなんだ?……】

「結奈さんは何にするの?……」
「そうね…暑いし、フルーツトマトのカッペリーニにしよかな…陽翔は決まった?……」

【カッペリーニってなんだ?…どうしよ、優柔不断なんて思われたくないな…】

「このプッタネスカってのにする…」

結奈は陽翔のチョイスに失笑を堪える。

【まったく…解らないならわからないって言えばいいのに……プッタネスカの意味知ってて注文してんの?……】

甥っ子の自尊心を尊重すべきと何も言わないでおく。
近づいてきた店員に注文を告げる。
すぐに前菜と称して生ハムとルッコラのサラダが運ばれてきた。

イタリアンと言ってもカジュアルな雰囲気の店内だった。
バスケットからナイフ、フォークを取り出して早速口に運んでいく。
陽翔も真似をしてカトラリーを使っていった。

「うん…美味しい…白ワインでも欲しくなるわ……」

あまり味のことはわからないけど、生ハムの塩気とオリーブオイルの香りにこれは絶品だと陽翔は思った。
それにしてもほんとにデートみたいな展開になってきた。
期末テストのご褒美のことしか頭になかったのに、叔母と二人きりのランチに少なからず緊張していた。

【何か…話さなきゃ……沈黙はだめだ…】

陽翔はありきたりな質問をしてみる。

「結奈さん…まだ仕事してないんだよね…普段何してるの?……」

「普段?…ジムに行ったり、エステしたり……友達とお酒飲みに行ったり……ほんとはもっと旅行とか行こうと思っていたんだけど、誰かさんの勉強のお陰でそれはさっぱりだね……」

なんかいろいろと想像してしまった。
叔母は歳よりずっと若く見えて美人でスタイルもいい。

「…ねぇ、結奈さん…彼氏とかいるの?…」

【しまったぁ…】

陽翔は思わず聞いてしまったことを悔やんだ。




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