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路地裏文化研究会
第1章 路地裏文化研究会
 【路地裏文化研究会は、古い街角や裏通りで建築や風俗を巡りながら、地域の歴史や文化を探訪する会です。初心者歓迎で、夜間の見学や隠れた名所の調査も行います。年齢・職業は問いません。街歩きや文化探訪に興味のある方はぜひご参加ください。連絡先 △△町△丁目 昭光堂書店 中村】

 わたしが学んでいるのも、平たく言えば歴史や文化ということもあり、何となく親しみを覚えました。ただ、連絡先は、たまに立ち寄る古書店…ついさっき寄ったばかりの。

 『昭光堂書店』はわたしの密かな愉しみを充たしやすいと思っていた古書店でした。緊張して胸を高鳴らせながら、気に入った本を手に帳場に向かうと、店主のおじさんは、お客であるわたしの顔を見ることもなく、ただ淡々とお金を受け取り、釣り銭を渡すだけなのです。

 それでも臆病なわたしは、喫茶店を出ると、同じ商店街にある古書店を訪ねるのは止めました。何せその日は本を買ったばかりでしたから…。

 でも、数日後、わたしは意を決して『昭光堂書店』を訪ねました。帳場におじさんが座っていつものように新聞を読んでいます。思い切っておじさんに声を掛けました。

 「あのう、すみません…、『〇〇タウン』に載っていた研究会のことなんですけど…」
 「え?…」

 おじさんが顔を上げました。幸い、おじさんの顔つきからは、わたしことは覚えていない様でした。

 「ああ、はいはい、どうも。ボクが中村ですけど…」

 いつものおじさんが『中村さん』でした。

 「あ、どうも…、あの、どんな会なのかな?って思って…」
 「ええと、興味を覚えてくれた、っていうことかな?」
 「あ、はい…」

 中村さんに補足されて、こちらの意図をくみ取ってもらいました。こんなやりとりをしていては、採用面接も覚束ないのだろうな、なんて思いながら。

 「『〇〇タウン』ね。ええと、何て書いてあったんだっけ? あれはボクじゃない奴が書いたもんだから…」

 帳場の周りをごそごそしている中村さんに、わたしは鞄に入れていた『〇〇タウン』を見せました。
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