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路地裏文化研究会
第12章 メモ
「週イチくらいかね」
「それはまたお盛んだね。せいぜい月イチぐらいじゃないの?」
「その頻度で街の性格もわかりそうだね」
「わからないよ」
「文華堂さん、ポストから持って帰ったら?」
「中身によりますがね。って、そんなことしませんよ。だいたい、ほら、鍵が掛けてあるじゃないですか」
「それはそうだね。文華堂が勝手に持って行ったら困るから」
「ひどいな。まあ、値打ものはそうそうないでしょうよ」
そうか。本当に処分に困ったら文華堂さんに引き取ってもらえばいいのかも。
『ほぉ…』
持ち込んだ図書を一冊ずつ吟味していく中村さん。
『ほほぉ…』
(こんな本をねぇ…)というつぶやきが聞こえてきそうで、わたしは顔を赤くしてただ立っている。
『見かけによらず、こういうのが好きなんだね…』
実際には中村さんはそんなことは言わないだろうけど。でも、そんなことを言われてもみたい、ってちょっと思う。
『〇〇に狂う××な△△…』
(あ…、題名まで読み上げないでください…)
『なるほどね。このページなんか、この前の『夜の部』の奈津子ちゃん、そのものだよね』
『ああ…』
「はい、奈津子ちゃん、どうぞ」
声を掛けられて我に返る。山田さんがキオスクで缶コーヒーを買ってくれた。
「いただきます」
おじさんたちもふたを開けて、軽く乾杯する素振りをし合う。
「奈津子ちゃんが加入してくれてから、研究会もアカデミックになったね」
「目の付け所が秀逸なんだよね」
「白ポストに愛おしさを感じるくらいだもの」
「その感性がいいんじゃないですか」
わたしを受け容れてくれるおじさんたち。何だか『白ポスト』のように思えてくる。
「誰も捨てに来ないね」
「そりゃそうだろう。こんな昼日中に」
「活躍するのはやっぱり『夜』か」
「だから白いんじゃないですかね」
『夜の部』が開かれる電気を消した暗い部屋が思い出される。
「それはまたお盛んだね。せいぜい月イチぐらいじゃないの?」
「その頻度で街の性格もわかりそうだね」
「わからないよ」
「文華堂さん、ポストから持って帰ったら?」
「中身によりますがね。って、そんなことしませんよ。だいたい、ほら、鍵が掛けてあるじゃないですか」
「それはそうだね。文華堂が勝手に持って行ったら困るから」
「ひどいな。まあ、値打ものはそうそうないでしょうよ」
そうか。本当に処分に困ったら文華堂さんに引き取ってもらえばいいのかも。
『ほぉ…』
持ち込んだ図書を一冊ずつ吟味していく中村さん。
『ほほぉ…』
(こんな本をねぇ…)というつぶやきが聞こえてきそうで、わたしは顔を赤くしてただ立っている。
『見かけによらず、こういうのが好きなんだね…』
実際には中村さんはそんなことは言わないだろうけど。でも、そんなことを言われてもみたい、ってちょっと思う。
『〇〇に狂う××な△△…』
(あ…、題名まで読み上げないでください…)
『なるほどね。このページなんか、この前の『夜の部』の奈津子ちゃん、そのものだよね』
『ああ…』
「はい、奈津子ちゃん、どうぞ」
声を掛けられて我に返る。山田さんがキオスクで缶コーヒーを買ってくれた。
「いただきます」
おじさんたちもふたを開けて、軽く乾杯する素振りをし合う。
「奈津子ちゃんが加入してくれてから、研究会もアカデミックになったね」
「目の付け所が秀逸なんだよね」
「白ポストに愛おしさを感じるくらいだもの」
「その感性がいいんじゃないですか」
わたしを受け容れてくれるおじさんたち。何だか『白ポスト』のように思えてくる。
「誰も捨てに来ないね」
「そりゃそうだろう。こんな昼日中に」
「活躍するのはやっぱり『夜』か」
「だから白いんじゃないですかね」
『夜の部』が開かれる電気を消した暗い部屋が思い出される。

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