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路地裏文化研究会
第12章 メモ
 『綺麗な白い肌だね。闇にほんのりと浮かんでいる』
 『こういうこと、いつかしてみたかったんだ。家では絶対にできないからね』
 『そうさ。バレるわけにはいかない』
 『奈津子ちゃんのおかげですよ、みなさん』

 次々にわたしに吐き出していくおじさんたち。白く塗りつぶされていくわたしも『白ポスト』なのかもしれない。おじさんたちはもうわたしの鍵を持っている。

 「白ポスト、ただ黙って口を開けているだけなのかな」
 「気に入らない雑誌とかあるのかな」
 「そりゃそうでしょう。家には持ち帰れないような雑誌専用なんだから」
 「そうか。ただの雑誌まで受け容れたらゴミ箱になってしまうものね」

 実際はどうなのだろう。わたしも誰でも受け容れるようなことはしないつもり…って、おじさんたちしか知らないのだけど。

 「健全な雑誌でも、白ポストに捨てたら、不健全な雑誌を読んでいる奴に見えるよ」
 「わざわざそんなことはしないってわけか」
 「やっぱり中身を見てみたいものだね」
 「まあ、それは野暮っていうものだね」
 「なんだか笑っているように見えなくもない」
 「そうかい? 無表情なんじゃないかな。無表情っていうのも色気があったりするからね」
 「感じているのに無表情ってやつかい? いいね」
 「擬人化して独白でもさせたら何て言うのでしょうね」
 「オトコなの? オンナなの?」
 「さてね。性別はないんじゃないの?」

 おじさんたちの会話を聞いていると、わたしには白ポストの口が笑っているように見えた。
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