この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
路地裏文化研究会
第2章 路地裏文化研究会
わたしが学んでいるのも、平たく言えば歴史や文化ということもあり、何となく親しみを覚えました。ただ、連絡先は、ついさっき寄ったばかりの古書店のすぐ近くでした。臆病なわたしは、しばらくはその古書店に近寄るのを避けていました。
ですから、その日は喫茶店を出て『文華堂書店』を訪ねるのは止めました。何せその日は本を買ったばかりで、はやく読み耽りたかったこともありましたので…。
数日後、わたしは意を決して『文華堂書店』を訪ねました。帳場におじさんが座っていつものように新聞を読んでいます。思い切っておじさんに声を掛けました。
「あのう、すみません…、『〇〇タウン』に載っていた研究会のことなんですけど…」
「え?…」
おじさんが顔を上げました。
「ああ、はいはい、どうも。ボクが中村ですけど…」
おじさんが『中村さん』でした。
「あ、どうも、はじめまして…、あの、どんな会なのかな?って思って…」
「ええと、研究会に興味を覚えてくれた、っていうことかな?」
「あ、はい…」
中村さんに補足されて、こちらの意図をくみ取ってもらいました。こんなやりとりをしていては、採用面接も覚束ないのだろうな、なんて思いながら。
「『〇〇タウン』ね。ええと、何て書いてあったんだっけ? あれはボクじゃない奴が書いたもんだから…」
帳場の周りをごそごそしている中村さんに、わたしは鞄に入れていた『〇〇タウン』を見せました。
「ああ、それそれ、すみませんね…。ええと、どれどれ…。ああ、そうそう、建築や風俗…うん、見学や調査…そうそう」
記事を追いながら呟いていた中村さんが顔を上げました。
「いろいろ書いてるけど、まあ、ボクみたいなおじさんばっかりの小さな会なんだけどね…。そんなのでも構わなければ…」
「え? あ、はい、大丈夫です…」
若い人とかよりもおじさんみたいな人のほうが、安心できそうな気がしました。昔のこととかいろいろご存じでしょうし。というか、若い人よりもおじさんのほうが好きなんです。昔から。今でも、その…わたしが思い描く世界にいるのは、だいたい年上の人でした。
「歴史好き…とでも言えばいいのかな、昔を懐かしむのが好きな手合いが集まってたんだけど、おじさんばっかりで、やれ腰が痛いだの、膝が痛いだの、いまひとつパッとしないからってね」
ですから、その日は喫茶店を出て『文華堂書店』を訪ねるのは止めました。何せその日は本を買ったばかりで、はやく読み耽りたかったこともありましたので…。
数日後、わたしは意を決して『文華堂書店』を訪ねました。帳場におじさんが座っていつものように新聞を読んでいます。思い切っておじさんに声を掛けました。
「あのう、すみません…、『〇〇タウン』に載っていた研究会のことなんですけど…」
「え?…」
おじさんが顔を上げました。
「ああ、はいはい、どうも。ボクが中村ですけど…」
おじさんが『中村さん』でした。
「あ、どうも、はじめまして…、あの、どんな会なのかな?って思って…」
「ええと、研究会に興味を覚えてくれた、っていうことかな?」
「あ、はい…」
中村さんに補足されて、こちらの意図をくみ取ってもらいました。こんなやりとりをしていては、採用面接も覚束ないのだろうな、なんて思いながら。
「『〇〇タウン』ね。ええと、何て書いてあったんだっけ? あれはボクじゃない奴が書いたもんだから…」
帳場の周りをごそごそしている中村さんに、わたしは鞄に入れていた『〇〇タウン』を見せました。
「ああ、それそれ、すみませんね…。ええと、どれどれ…。ああ、そうそう、建築や風俗…うん、見学や調査…そうそう」
記事を追いながら呟いていた中村さんが顔を上げました。
「いろいろ書いてるけど、まあ、ボクみたいなおじさんばっかりの小さな会なんだけどね…。そんなのでも構わなければ…」
「え? あ、はい、大丈夫です…」
若い人とかよりもおじさんみたいな人のほうが、安心できそうな気がしました。昔のこととかいろいろご存じでしょうし。というか、若い人よりもおじさんのほうが好きなんです。昔から。今でも、その…わたしが思い描く世界にいるのは、だいたい年上の人でした。
「歴史好き…とでも言えばいいのかな、昔を懐かしむのが好きな手合いが集まってたんだけど、おじさんばっかりで、やれ腰が痛いだの、膝が痛いだの、いまひとつパッとしないからってね」

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


