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官能ショートショート『Aitai』
第1章
「私だけじゃ、だめなの?」
千夏は上半身だけ起こして、問い詰める。
「はあ? お前、俺の恋人気どり?」
「お願い! なんでも言うこと聞くから、ここにいて、お願い……」
「お前、ほんとうに、いちいち、うぜえな……もう来ねえぞ……」
「ごめんなさい……」
翔太は服を着終わり、玄関に向かった。
「なんでも言うこと聞くっていうなら、いつもこの部屋にいろ、暇な時は来てやっからよ」
千夏は何も言い返せずに俯いた。
翔太が靴を履き、ドアを開ける。
「おい、千夏」
その声に千夏は驚いて顔を上げた。
「え?」
翔太がめったに呼ばない千夏の名前を呼んだからだ。
「ちょっと来い」
千夏は、裸のまま立ち上がり、駆け寄った。
「なに?」
不意だった。
翔太が前触れも無しに、裸の千夏を引き寄せ抱きしめた。
強くだった。
「あっ……」
千夏が微かに声を上げた。
そして、体を離すと、千夏にキスをした。
「千夏、お前のサラダ旨いわ……また来っからよ」
一瞬、翔太が微笑んだ。
千夏の瞳が見開いた。
何度もうなずく。
「うん! うん! 待ってる、翔太……私待ってる……」
千夏は今にも泣き出しそうな顔だった。
翔太は手を上げ、ドアの外に消えて言った。
急いで部屋の中に戻った。
小さなテーブルのそばまで来た。
千夏は裸のまま、翔太が食べ残したサラダの器を愛おしそうに両手で包んだ。
完
千夏は上半身だけ起こして、問い詰める。
「はあ? お前、俺の恋人気どり?」
「お願い! なんでも言うこと聞くから、ここにいて、お願い……」
「お前、ほんとうに、いちいち、うぜえな……もう来ねえぞ……」
「ごめんなさい……」
翔太は服を着終わり、玄関に向かった。
「なんでも言うこと聞くっていうなら、いつもこの部屋にいろ、暇な時は来てやっからよ」
千夏は何も言い返せずに俯いた。
翔太が靴を履き、ドアを開ける。
「おい、千夏」
その声に千夏は驚いて顔を上げた。
「え?」
翔太がめったに呼ばない千夏の名前を呼んだからだ。
「ちょっと来い」
千夏は、裸のまま立ち上がり、駆け寄った。
「なに?」
不意だった。
翔太が前触れも無しに、裸の千夏を引き寄せ抱きしめた。
強くだった。
「あっ……」
千夏が微かに声を上げた。
そして、体を離すと、千夏にキスをした。
「千夏、お前のサラダ旨いわ……また来っからよ」
一瞬、翔太が微笑んだ。
千夏の瞳が見開いた。
何度もうなずく。
「うん! うん! 待ってる、翔太……私待ってる……」
千夏は今にも泣き出しそうな顔だった。
翔太は手を上げ、ドアの外に消えて言った。
急いで部屋の中に戻った。
小さなテーブルのそばまで来た。
千夏は裸のまま、翔太が食べ残したサラダの器を愛おしそうに両手で包んだ。
完