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Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第7章 疼き
「恥ずかしいの?」
いつまで経っても梨々香はお姉さん。恵樹は弟。そんな立ち位置は変わらない。頷いた恵樹に、
「もう、小学生じゃないのよ。来月から高校生。もっとシャキッとして男になりなさいよ」
と、見つめる梨々香。その視線にたじろぐ恵樹。
「そんなんじゃ、心美ちゃんとは何もなかったわね」
梨々香がフッと笑った。安心したという感じの笑み。確かにその通りの恵樹には言葉もない。俯く恵樹に、
「いいのよ、それで。男らしくないところが、わたしは好き」
矛盾することを平気で言う梨々香。『男になりなさいよ』と言ったばかりなのに、『男らしくないところが、わたしは好き』と言う。
梨々香にも悩みがあった。恵樹に、男らしくなって欲しいと思いつつ、でも、いつまでも小さい頃と同じ可愛い男子で野蛮な男になってほしくないという思いがあった。
「とりあえず、そんなことは脇に置いて、おいで」
梨々香が声を掛けた。身動ぎ一つしない恵樹。フッと笑って、近づき、そんな恵樹を抱きしめた梨々香。恵樹の鼻孔が梨々香のフルーティな香りに占領された。甘い薫り。白桃のような薫り。恵樹の鼻孔をくすぐる薫り。背中に手を回してギュッと締め付ける梨々香。梨々香の豊かな胸の膨らみが、恵樹の硬い胸で押しつぶされるように広がる。柔らかな温かい感覚が恵樹に伝わった。
小学校の低学年の頃とは違う感覚のハグ。顔が近い。あの頃もこんなに近かったのか?恵樹は戸惑っていた。それは梨々香も同じ。でも、お互いにこの距離感には懐かしさがあった。
以前は、恵樹の肩甲骨の辺りに回されていた梨々香の腕。それが、仙骨の辺りまで降りていた。反対に梨々香のウエストに回されていた恵樹の腕が、梨々香の肩甲骨の辺りに。
身長が伸びて大きくなった恵樹。男らしくなった胸板。上から見つめていた恵樹の顔が下から見る位置に変わっていた。
梨々香がギュッと回した腕に力を入れて恵樹を引き寄せた。それに応えて、恵樹も梨々香の背中に回した腕をギュッと力を入れた。
乾いていた梨々香の心が満たされていった。小学校の低学年の頃、毎日のようにしていたスキンシップ。これが失われたことで、どれほど、心が飢え、乾いたか。
恍惚とする梨々香。これよ、これ!この感覚。幸福感の高まりを感じた。
いつまで経っても梨々香はお姉さん。恵樹は弟。そんな立ち位置は変わらない。頷いた恵樹に、
「もう、小学生じゃないのよ。来月から高校生。もっとシャキッとして男になりなさいよ」
と、見つめる梨々香。その視線にたじろぐ恵樹。
「そんなんじゃ、心美ちゃんとは何もなかったわね」
梨々香がフッと笑った。安心したという感じの笑み。確かにその通りの恵樹には言葉もない。俯く恵樹に、
「いいのよ、それで。男らしくないところが、わたしは好き」
矛盾することを平気で言う梨々香。『男になりなさいよ』と言ったばかりなのに、『男らしくないところが、わたしは好き』と言う。
梨々香にも悩みがあった。恵樹に、男らしくなって欲しいと思いつつ、でも、いつまでも小さい頃と同じ可愛い男子で野蛮な男になってほしくないという思いがあった。
「とりあえず、そんなことは脇に置いて、おいで」
梨々香が声を掛けた。身動ぎ一つしない恵樹。フッと笑って、近づき、そんな恵樹を抱きしめた梨々香。恵樹の鼻孔が梨々香のフルーティな香りに占領された。甘い薫り。白桃のような薫り。恵樹の鼻孔をくすぐる薫り。背中に手を回してギュッと締め付ける梨々香。梨々香の豊かな胸の膨らみが、恵樹の硬い胸で押しつぶされるように広がる。柔らかな温かい感覚が恵樹に伝わった。
小学校の低学年の頃とは違う感覚のハグ。顔が近い。あの頃もこんなに近かったのか?恵樹は戸惑っていた。それは梨々香も同じ。でも、お互いにこの距離感には懐かしさがあった。
以前は、恵樹の肩甲骨の辺りに回されていた梨々香の腕。それが、仙骨の辺りまで降りていた。反対に梨々香のウエストに回されていた恵樹の腕が、梨々香の肩甲骨の辺りに。
身長が伸びて大きくなった恵樹。男らしくなった胸板。上から見つめていた恵樹の顔が下から見る位置に変わっていた。
梨々香がギュッと回した腕に力を入れて恵樹を引き寄せた。それに応えて、恵樹も梨々香の背中に回した腕をギュッと力を入れた。
乾いていた梨々香の心が満たされていった。小学校の低学年の頃、毎日のようにしていたスキンシップ。これが失われたことで、どれほど、心が飢え、乾いたか。
恍惚とする梨々香。これよ、これ!この感覚。幸福感の高まりを感じた。

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