この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第7章 疼き
8年ぶりくらいの合図。恵樹は憶えていた。そして、懐かしい視線。睨むような視線ばかりだった梨々香の懐かしい優しい視線に恵樹は安堵していた。やはり異性から厳しい視線、怖い視線、睨むような視線を送られるのはツラい。優しい視線。そして、微かな笑み。
廊下に出て先を歩く梨々香に着いていく恵樹。小学校の低学年の頃と同じ。梨々香が歩く後ろを恵樹が着いていき、人の気配がないところで・・・。
そう、最初は教室でも廊下でも運動場でもどこでもハグをしていた二人。でも、先生から注意をされ、隠れてするようになった。
そのとき、いつもこんな感じで、梨々香が前を歩いて、人の気配のないところを探していた。後ろから追いかける恵樹。
恵樹は思った。ハグ?いまさら?それとも、卒業前に何か伝えたことがある?考えながら歩く恵樹。スタスタと歩く梨々香に迷いは無いように思えた。
何処へ行くの?
恵樹は疑問に思った。そっちは、小学校の校舎。階段を登る。そこは・・・。懐かしい場所。
小学校の低学年の頃、隠れてハグしていた場所。図工室の準備室の裏。
大量に積み上げた絵を描くときに使う板。その積み上がった板の向こう側。教室からも図工室からも準備室からも見えない影。
「思い出した?ここでしていたこと」
梨々香が恵樹に微笑む。ハグ・・・。結構、長い時間、抱き合っていた記憶が戻ってきた。そう、休み時間になると、駆け足で、梨々香がここに向かい、恵樹はその後ろを追いかけて、ここで梨々香が振り返り、走ってくる恵樹を抱きしめた。そう、ゴールは梨々香の腕の中。そんな時期があった。
手を広げる梨々香。躊躇する恵樹。さすがに、小学校の低学年のあの頃とは違う。制服の上からでもわかる梨々香の胸の膨らみ。それに、恵樹も成長して、あの頃とは違う。
小学校の低学年のハグと、中学三年生のハグは、同じハグでも、意味合いが違う。躊躇う恵樹に、
「わたしのこと、嫌いになった?」
と、寂しげに訊く梨々香。実際、梨々香は、そう思った。あの頃のように飛び込んでくれると思っていた。でも、梨々香も心の何処かで、無理かもしれないという懸念を持っていた。その懸念が現実になった。それが、そのまま言葉になった。
「嫌いとかではなく・・・」
言葉を濁す恵樹。
廊下に出て先を歩く梨々香に着いていく恵樹。小学校の低学年の頃と同じ。梨々香が歩く後ろを恵樹が着いていき、人の気配がないところで・・・。
そう、最初は教室でも廊下でも運動場でもどこでもハグをしていた二人。でも、先生から注意をされ、隠れてするようになった。
そのとき、いつもこんな感じで、梨々香が前を歩いて、人の気配のないところを探していた。後ろから追いかける恵樹。
恵樹は思った。ハグ?いまさら?それとも、卒業前に何か伝えたことがある?考えながら歩く恵樹。スタスタと歩く梨々香に迷いは無いように思えた。
何処へ行くの?
恵樹は疑問に思った。そっちは、小学校の校舎。階段を登る。そこは・・・。懐かしい場所。
小学校の低学年の頃、隠れてハグしていた場所。図工室の準備室の裏。
大量に積み上げた絵を描くときに使う板。その積み上がった板の向こう側。教室からも図工室からも準備室からも見えない影。
「思い出した?ここでしていたこと」
梨々香が恵樹に微笑む。ハグ・・・。結構、長い時間、抱き合っていた記憶が戻ってきた。そう、休み時間になると、駆け足で、梨々香がここに向かい、恵樹はその後ろを追いかけて、ここで梨々香が振り返り、走ってくる恵樹を抱きしめた。そう、ゴールは梨々香の腕の中。そんな時期があった。
手を広げる梨々香。躊躇する恵樹。さすがに、小学校の低学年のあの頃とは違う。制服の上からでもわかる梨々香の胸の膨らみ。それに、恵樹も成長して、あの頃とは違う。
小学校の低学年のハグと、中学三年生のハグは、同じハグでも、意味合いが違う。躊躇う恵樹に、
「わたしのこと、嫌いになった?」
と、寂しげに訊く梨々香。実際、梨々香は、そう思った。あの頃のように飛び込んでくれると思っていた。でも、梨々香も心の何処かで、無理かもしれないという懸念を持っていた。その懸念が現実になった。それが、そのまま言葉になった。
「嫌いとかではなく・・・」
言葉を濁す恵樹。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


