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Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第7章 疼き
そう、梨々香は

「キスして」

とは言っていない。目を閉じただけ。だから、恵樹は目を閉じた。焦れて梨々香が目を開けて恵樹を見ていた。それは薄々感じていた恵樹。しかし、まさか、いきなりキスをするとは思ってもみなかった。だが、今までの梨々香から想像するべきだった。小学一年生の春。同じクラスになって、すぐに手を握りながら、

「可愛い!恵樹くんは私の弟よ。わかった?」

と、微笑んだ梨々香。そして、いつも手を握り、そして、引っ張って、抱き寄せてハグして。周囲に人がいてもお構いなしだった。周囲の男子が恵樹を睨んでいた。梨々香には周囲の目などというものはお構いなしの一途なところがハッキリとしてあった。それは、中学生になっても変わらなかった。好きなものは好き。嫌いなものは嫌い。

そして、自分の思いに正直だった。それは恵樹も知っていたはずなのに、この行動は想定外だった。ハグからキス。それがもしかしたら、小学校の低学年の頃からの成長だったのかもしれない。

驚いた恵樹。

でも、目を閉じて、重ねられた唇の感覚を確認していた。

ハグで満たされた心。そこから溢れ出した想い。中学三年生になっても、恵樹は梨々香の弟的存在だった。

梨々香には姉がいる。梨々香はその妹という立場だった。二人には弟が欲しいという願望があった。その二人の願望を叶える存在、それが恵樹だった。

姉と一緒に、弟的な存在だった恵樹を可愛いと言ってハグしていた梨々香。そして、姉は卒業していない。自分だけの弟のはずだった。でも、ハグをしなくなった梨々香と恵樹の間にはすきま風が吹き、気が付けば、遠い存在になっていた。

そして、今、その数年の空隙を埋めるハグ。そして、小学校の低学年の頃にはしたことがなかったキス。空隙を埋めて余りある更なる一歩を踏み出せた。

恵樹の反応を見て、梨々香は思った。恵樹はキスをしたことがない。ファーストキスは私のものだ。私だけのもの。ハグは姉もしたし、恵樹は幼稚園時代にハグをいろいろな女児としていたことは、何となくわかっていた。

でも、キスは私だけ。ファーストキス。それは特別なキス。

わたしと恵樹の間に割り込んできてあの子たちは、結局、ハグもキスもできなかった。でも、わたしは、その両方を・・・。

優越感に浸る梨々香。
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