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闇夜を彩るアラベスク
第11章 みずがめ座の男
そんなムラムラしっぱなしのある夜。
その夜はどうにも蒸し暑くて、ついついビールの酒量が増えてしまい、冷蔵庫のビールが底をついた。
妻のいない寂しさから、酒を呑まずにはいられない。
出不精の吉村宗明だったが、仕方なく歩いて15分ほどのコンビニまでビールを買い出しに行くことにした。
寮の玄関を出たところで、何気に駐輪場に目を向けてみると、なにやら人影を認めた。
「こらっ!そこで何をしている!」
怒鳴られて、咄嗟に逃げようとした人影だったが、あいにくと駐輪場の奥は行き止まりで、吉村が追い詰めると、その人影は降参とばかりに手をあげておとなしく吉村に捕まった。
捕まえてみて、その人影が女性であり、しかも名前までは知らないが確かにここの寮生だと認識できた。
「えっと…君は…」
「大林です…大林翔子…」
彼女は観念したのか、素直に名前を告げた。
ああ、そうだった。
確かこの春に入寮してきた新入生の女の子だ。
「ここで何をしている?もうとっくに門限は過ぎているぞ。
新一年生の分際で門限破りとは度胸があるな」
とにかく理由を聞かせてもらおうか。
寮長としての責務にかられた吉村は大林翔子の腕を取り、無理やり寮長室に連れ込んだ。
「さて、なんで門限破りをしてまで外出した?」
彼の問いかけに翔子はポロポロと涙を流して事の顛末を話し始めた。

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