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闇夜を彩るアラベスク
第11章 みずがめ座の男
彼女には中学二年生の頃から付き合っていた同級生の彼氏がいたそうだ。
それが、この地にある新城高校への入学を親に無理やり決めつけられ、嫌々ながらもこちらへ進学してきた。
この学校へ入学すれば新城大学へエスカレーター式に進学出来ることから、親たちの間では人気のある高校の一つであった。
ただ、大林翔子の場合、地元から離れなければならず、そのために付き合っていた彼とも疎遠になり、今日、彼からメールで別れを申し出されたとのことだった。
むしゃくしゃした翔子は、寮を抜け出してカラオケ店にゆき、やけっぱちで歌いまくり、初めてアルコールを口にしたということだった。
「つまらない理由で別れるんだな…週末になれば地元に帰れるんだから、その時にデートを重ねてお付き合いを継続すればいいだけじゃないか
それをヤケ酒?ふん、うだつの上がらないサラリーマンみたいな真似をして…」
「だって!むしゅくしゃしたんだもん!」
まあ、彼氏にフラれたんならヤケ酒でもあおりたくはなるか…
彼女の気持もわからなくもないが、とにかく、門限破りと未成年飲酒は許されるべき事ではない。
「寮長として、この事を君の担任に報告する義務がある。
まあ、停学謹慎処分ぐらいは覚悟するんだな」
「そんな!それだけは勘弁してください!
停学処分なんかされたら大学への自動昇進の道が閉ざされてしまうじゃないですか!」
「自業自得だろ
まあ…この事を内密にしておいてやらんこともないがな…」
「お願いします!どうか学校には内緒にしておいてください!」
何でも言うことを聞きますから!
そういって翔子は寮長である吉村の腕にすがり付くようにして懇願した。

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