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闇夜を彩るアラベスク
第12章 うお座の男
甘い時間ほど時が経つのが早い。
クンニが最高潮に達して、リリーは挿入を待ち望んでいたが、無情にもサービスの終了を告げるアラームが鳴った。
「ね…延長…」
延長料金さえ払ってくれれば最後まで逝かせてもらえる。
お金が目当てではないが、挿入してお互いに気持よくなるにはそれなりの対価が必要になる。
「ごめん…金欠病なんだ…」
給料日前で生活費が苦しい。
なけなしの無駄遣いではないが、切り詰めてリリーを招いているだけに、延長料金を支払うほどの余裕はない。
何よ!お金もろくにないのに私を買おうとしていたの!
そのように罵倒されるのは覚悟で、お金がないことを正直にリリーに打ち明けた。
「そんなに困窮しているのに私を指名してくれたのね」
リリーは罵倒するどころか、そんなに困窮している中、自分を指名してくれて遊んでくれた事がたまらなく嬉しかった。
「ねえ…このお金…あなたが支払ってくれた今回の分、事務所に上納しないといけないの…
予定時間になったから、多分お迎えの車がアパートの前で待ってるわ…帰りが遅いとここに怖い男が乗り込んでくるかもしれないから、とりあえず一旦事務所に戻るわ」
やはり帰ってしまうんだと、谷村は落胆の表情を浮かべた。
「あぁ~ん、そんな顔をしないでよ
私、今夜はあなた以外のお客の予約を断ってくるから…
ね、お仕事を上がれば私が何をしようが自由なんだから、もう一度ここに戻ってくるわ」
「もし、予約か入ったら?」
「生理が来ちゃったとか、適当な嘘をついて誤魔化すから…
だからね、少しだけ待っていてくれる?」
リリーはそう告げると、谷村の部屋を後にした。
うまく誤魔化されて逃げられたのではないだろうか…
そう思いながらも、リリーが帰ってきてくれることを信じて、谷村は部屋の掃除を始めた。
待つこと小一時間…
玄関のベルが鳴り、ドアを開けると、信じられないことにリリーが戻ってきてくれた。

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