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闇夜を彩るアラベスク
第4章 かに座の男

今夜は愛し合おうと考えていたのがオジャンになり、不満気だった道彦だったが、現役の女子大生である美春の妹の美冬を交えての食事は思いの外に楽しくて、美春と結婚したら義妹になる美冬にお酒を勧められて酩酊し始めていた。

「道彦…あなた、少し飲みすぎよ
泥酔したら今夜帰れなくなるわよ」

「何を言ってんだい。ぼかぁね、今夜はここで寝るんだから酔っても平気ら」

そう言うなり、道彦はソファに倒れ混んで、次の瞬間にはゴーゴーと大きないびきをかきはじめた。

「ほら、言わんこっちゃない…」

もうこうなったら絶対に起きてくれないのは美春が一番理解していた。

「いいじゃない、ここで寝させてあげれば」

美冬は、さっさと押し入れから毛布を取り出して道彦の体にかけてあげた。

「それで…あんたは本当にうちに泊まるつもりなの?」

「当然でしょ。うら若き乙女を深夜の街に放り出そうっての?」

「そうじゃないけど…来るなら来るで連絡をしてくれないと寝具の準備もしておきたかったし…」

「そんなの必要ないって、私もここで寝るから」

そう言って美冬は対のソファーにごろんと横になって、テーブルを挟んで道彦と向い合わせになった。
彼女もまた、したたかに酔っていたので、横になるとすぐに寝息をたてはじめた。

「もう!男じゃないんだから、ごろ寝はやめなさいよ」

引きずってでも自分の部屋に連れていきたかったが、脱力して寝転がるとさほど大柄でもない美冬だったが、体を起こすのさえ一苦労だ。

「風邪を引いても知らないから」

美春は美冬を抱き起こす事をあきらめて、自身も酔いが回って猛烈な眠気に襲われて、妹をそのままにして自室のベッドに倒れこむと、そのまま深い眠りに落ちた。

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