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『間違い』電話
第6章 『接近』
「あっ!ごめん!止めるから!」


「やっぱり賢、熱があるんじゃないの~?止めておくから、早く服を着てきなよ!」


麻里の手が、ドアノブに伸びてきた。


絶体絶命だ…。


「麻里っ!」


「へ!?」


「携帯!着信みたいだよ!」


テーブルに載ってる携帯から着メロが流れてきた。


ディスプレイを確認した麻里は


「わっ!今日のアポイントの人だ!何だろ~」


慌てて電話に出た。


ドックン…


「はい…ええ予定を…はい!」


ドックン…


「分かりました!大丈夫ですよ!」


ドックン…


今日の予定…どうなったんだ…キャンセルや他の日になったら…。


額から汗が浮き出す。


麻里が、携帯を下ろし


「賢…アポイントが…」


「うん…どうした…」


「時間を早めて欲しいって~!ごめんね!今から行って」


手を合わせて、頭を下げた。


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