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『間違い』電話
第7章 『誤想』
「ただいま!」


靴を脱ぎ捨てる様にほっぽらかして、バタバタと部屋に入る。


「麻里っ!」


「………」


ダイニングのテーブルの椅子に腰掛ける麻里の後ろ姿…。


何故かいつもと…雰囲気が違って見えた。


グツグツと、弱火に掛けた鍋が煮えたぎっている。


「麻…里…ただいま…」


側に立って話し掛けたが…麻里は俯いたままだった。


「どうしたんだ?具合が悪いのか?」


声を掛けても、反応は無かった。


ドックン…


10年近く一緒に居て…こんな麻里は始めてだった。


「麻里…何か…あったのか…」


「……ポストに…無記名の封筒が…」


「封筒?」


テーブルの端には…クリーム色…

いや…ベージュの封筒と…




マイクロSDが置かれていた…。


ドックン…。


「な…何で……」


「賢…嫌……見ないで…」


麻里は顔を覆って、一気に泣き出した。

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