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『間違い』電話
第7章 『誤想』
「っ……」


声が出なかった…。


麻里の職場だから…そんなの関係無い。


怒りなのか…それとも…恐怖なのか…。


「何でも…無い…」


「ふ~ん…麻里から、昨日変な電話きたなぁ~凄く動揺してたみたいだったけど…」


「なっ…嘘だ!」


尚子は真顔になり


「何で…嘘だと思うの?」


クッソ…誰のせいだと思ってるんだよ!


「マンションに…マイクロカード置いたの…お前じゃないのか!?」


「マイクロ…カード…知りたい?」


あぁ…やっぱり…
尚子の思惑に、動かされていくんだ…。


「何か…知ってるのか?」


「ふふふ~応接室に来る?」


俺は大きく溜め息を吐いて


「分かった…」


「ふふ…どうぞ…こっちよ」


尚子が嬉しそうに、手招きをする。


ゾクッ…背中に寒気が走った。


本当…大丈夫なのか…。


足が進まない俺に尚子は


「やだぁ~流石にここで、セックスは無理よ~!」


ケタケタ笑った。


「なっ!」


誰に聞かれてるか、分からないのに!


先に進む尚子を慌てて、追い掛けた。

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