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『間違い』電話
第7章 『誤想』
ギュッと拳を握る。


ここで感情的になっても意味が無い…堪えるんだ…。


「マイクロSD…昨日マンションの…ポストに入れたのか?」


「カード…何の~?」


口元を抑えながら、目を細めて質問を返された。


「ホテルの…やつだよ…」


いちいち、言わせるなよ。


「ホテル~?」


やっぱり、苛々する…。


「一緒に行ったホテルのだよ…」


隣を気にして、声を潜める。


なのに尚子は


「あはっ!そっか~ホテル行ったの懐かしい~!」


部屋中に響く程、大きな声ではしゃいだ。


「ちょっ…」


思わず腰を浮かせて、身体を前のめりにすると


「…私が持って来たって…何で思うの?」


チッ…惚ける気か。


鞄からベージュの封筒を取り出して、机の上に置いた。


「これに…入ってた…」


「この封筒?でも、差出人書いてないわよ~」


「あんな内容のカードが入ってるのに…いちいち書くか?」


尚子の目が…据わった。


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