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『間違い』電話
第9章 『調理』
「頂きま~す」


テーブルの向かいに、箸を揃えて手を合わせてる尚子が居る。


「はい…ビール…」


小さめのグラスに注いだビールを尚子に渡す。


缶のまま飲もうとした俺に


「賢もグラスに注ぎなよ!」


立ち上がって、グラスを持って来た。 


手に持ったビールを奪い、コポコポとグラスに注ぐ。


琥珀色の液体に、綺麗な泡を立てていく。


「はい!賢~乾杯しよっ!」


ニッコリ微笑んで、泡が零れない様にグラスを差し出してきた。


「乾杯…?」


「うん!」


何に…乾杯なんだ…。


まぁ、いいか…居酒屋で飲む時だって、深く考えて乾杯なんてしてないしな。


「じゃあ、取り敢えず…乾杯」


「乾杯~!」


カチン~ガラスの硬質的な音が小さく響いた。


尚子はグイッとグラスを煽り


「あ~久々~!美味しいね~!」


一気に飲み干した。

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