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『間違い』電話
第10章 『標的』
尚子が欲しいと言っていたのは…薔薇だった…。


髪をシュシュで束ね、スラッとした綺麗目の店員が対応していく。


「どれに致しますか?」


「貴女に…お任せするわ…」


尚子が薄く微笑んで、選別を店員に委ねる。


「こちらで、宜しいですか?」


10本選んで尚子に見せると…


「えぇ…綺麗なの選んでくれて有難う…大丈夫です」


店員は、安心した様に微笑み


「少々お待ち下さい…今ラッピング致しますね」


奥に入って行った。


俺は少し、呆気に取られた。


「尚子…本当に…薔薇が欲しかったの?」


そう聞くと、小さく笑って


「ふふ…賢さん…後で最初に行った、和食のお店も行きたいな…」


「…分かった…」


質問の答えは返って来なかったが、取り敢えずブランド品よか安く付いたのは、ホッとした。


店員が薔薇の花束を長い手提げに入れて、持ってきてくれ


「お待たせ致しました!3千240円になります!」


ニッコリと微笑む笑顔は…

凄く爽やかだった。

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