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『間違い』電話
第2章 『密会』
案内された席に座って、メニューを開く。


「ナオコさんは、どれにします?うどんや蕎麦が主流になってますが」


「種類が豊富なんですね…雰囲気も和洋折衷みたいで、素敵ですし」


「気に入って貰えたかな?」


「はい…こんな所、主人とは来た事がないですもの」


揃った前髪から上目遣いで、口元を綻ばせている。


「…いつか…来てみたらどうですか?ご主人と」


「…それは…」


ナオコは、一瞬にして顔が曇ってしまった。


感情が顔に出やすいな…
読み易くて楽かもしれないけど…。


メニューは、日替わりランチを二種類頼む事にした。


ナオコはお茶が入った湯飲みに手を添えて、口を付けている。


凄い美人な訳じゃない…
だからって不細工でもない…。


『普通』…
ありきたりに表現するなら、そんな感じだ。


派手ではないが大人しい雰囲気が、却って雑多の中では浮き出して見えそうな…。


料理を待ちながら、ナオコに色々と聞き出し始めた。

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