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『間違い』電話
第11章 『誘導』
「あの…お客様…もしかして…先日いらっしゃいましたか?」


都心の花屋なのに…良く覚えてるな…。


感心しながら、質問に答える。


「はい…覚えてましたか!凄いですね!」


笑顔を作って話を続ける。


「先日、友人と一緒に来たんですよ!職場が近いから、また寄ってみようかと思って…」


「先日のお連れ様…ご友人…だったんですか…」


宏実は…少し戸惑った表情を見せた。


宏実は…尚子を知っている…。


回りくどい事をしなくても…尚子の名前で誘い出せるだろう…


「尚子さんの事…知ってましたか?」


単刀直入に、聞いてみると


「…いえ…知りません…」


宏実は…嘘を付いた。


「そうですか…先日来た時に…尚子さんの名前に反応していた気がしたんですが…」


チラリと見ると…
宏実は口を結んで、エプロンを握り締めていた。


バレバレだろ…。


見栄すいた嘘付いても、いつかバレるのに…。


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