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『間違い』電話
第3章 『越度』
取り敢えず部屋に入ると、中はそこそこ綺麗だった。


「尚子さん…座って…休もうか…」


「はい…」


ソファーもあるから、そっちに腰掛けるかと思ったが、尚子はフラフラと歩きながらも、ベッドに座ってしまった。


俯き加減で視線が虚ろになっている尚子は、焦燥感から白い肌が青白く見える。


まるでベッドに、大きな市松人形を座らせてるみたい。


「お茶でも、淹れようか…」


尚子から離れ様とした瞬間だった…。


「嫌っ!賢さんっ!行かないで!」


いきなり腰回りに抱き付いてきて、驚いた。


「わっ!お茶を淹れるだけだって!」


「側に居てっ!」


「はぁ~?充分側に居るでしょ?」


巻き付いた腕を離そうしたら


「うわぁぁぁぁぁぁん!離れないでぇ~!一人にしないで!」


また大声で、泣き出した。


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