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『間違い』電話
第3章 『越度』
「大丈夫っ!?」


「はい…大…丈夫…」


途切れがちな声が…怪しい雰囲気を醸し出した。


「尚子さん…気分悪いなら…横になる?」


「……そうですね…そうします…」


俺は少し安堵した。


しばらく離れて居られると思ったからだ。


「じゃあ…俺はソファーの所に居るからさ…ゆっくり寝なよ。最近、寝れてないんじゃない?」


「はい…実は…」


旦那の不倫で…不安で仕方ないんだろう…。


ただでさえ青白い肌に、隈がハッキリ浮いていた。


ベッドカバーを捲ってやり


「服…シワになっちゃうかな?」


「あっ…じゃあ…脱ぎます…」


「へ……着替える…?」


てっきり服のまま、寝るかと思ったんだけど…。


「じゃあ…俺は洗面所行ってるから…着替え終わったら教えてよ」


「…はい…すみません…色々…」


「いや…大丈夫だよ…」


本当だよ…まぁ、自分で蒔いた種だけどさ。


俯く尚子を一瞥して、洗面所に向かった。

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