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『間違い』電話
第13章 『思索』
お摘み的な前菜を食べつつ…どの話題から始めようか考える。


やはり…無難に昨日の事かな…。


「奥様…」

「はい?」


兼子は箸を止めて、眼鏡越しから鋭い目付きを向けてきた。


多分…俺の出方を見ているんだろう…。


「奥様に絡んで来た客…ちょくちょくあのお店に来てるみたいなんですが…大丈夫なんですか?」 


「…そのようですね…お客で来てる様なんで…私も口出しは出来ないもので…」


え…口出し出来ない?


『しない』の間違いじゃないのか?


さも関係ない…みたいな顔に見えるけど。



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