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『間違い』電話
第14章 『魔性』
「616…620…あ…あそこか…」


まだ部屋に辿り着いていないが、兼子の部屋なのは確実に分かったのは…


部屋の前で宏実が立っていたから…。


「兼子さん!」


周りの視線もあるから、一応苗字で宏実を呼ぶと…


「賢…」


こっちに気付いて振り向いた宏実の顔は、泣いたのか目が真っ赤に腫れて、物凄く憔悴仕切っていた。


「宏…兼子さん…何かあったの!?」


慌てて駆け寄ると、宏実は倒れ込む様に俺の胸の中にしがみ付き…


「主人は…さっき…うぅぅっ…」


ドックン…


嫌な感じがして、心臓が掴まれた感覚になる。



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