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『間違い』電話
第14章 『魔性』
一杯目の珈琲は飲み終わる頃、19時になろうとしていたが、麻里はまだ来ない。
二杯目は麻里が来てから頼む事にした。
駅に向かう通路沿いがガラス張りで、家路に向かう人の疲れた顔を無関心に眺める。
こんな大勢いたら…
不倫している人間なんて、山程いそうだな…。
尚子に出会うまで、自分には無関係だと思ったのに…。
俺は今…
誰が側に…
誰の側に…
一番居たいんだ?
ブルルル…
テーブルに置いたスマフォが、バイブで振動を響かせる。
「メールか…」