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『間違い』電話
第14章 『魔性』
リビングに戻ると尚子は冷蔵庫の扉を閉め、手に缶ビールを持って


「賢ビール飲む?」


「いや…俺はいいや…」


普段だったら晩酌するが、今週は色々あり過ぎて流石に疲れがピークで飲む気にはなれなかった。


「そう~私は飲もう~!」


そんな尚子を珍しく思いながら椅子に座る。


「頂きます…」


味噌汁のお椀を手に持つと、尚子はグラスにビールを注ぎながら


「麻里と話せたの?」


サラッと流す様に聞いてくるのも珍しかった。


「いや…何か急な仕事が入ったみたいで会えなかった…」


「ふ~ん…あっ賢!今日このお魚安かったんだよ!」


「あ…あぁ…」


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