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『間違い』電話
第16章 『報復』
宿に着く前に断崖絶壁を見てから、昼食を取る事にした。
絶壁を一望出来る峠に登り、尚子は囲ってある柵に手を乗せて身を乗り出しながら、日本海の荒波を食い入いって眺めていた。
自然が作り出した光景は、人の力なんて無力に等しい事を思い知らされる。
最初は気が乗らなかった俺も岸壁に打ち寄せる波に、無意識に引き込まれていく。
「凄いな…」
「うん…」
どれくらい時間が経ったか気にしない程…
二人とも黙って見入っていた。
でも体内時計は、働いていて
ぐぅぅぅ〜!
間抜けな音が響いてしまった。
「あ…腹鳴った…」
気不味く腹を押さえると
「ふふふ…賢は花より団子だね!ご飯食べよっか!この付近はお魚が美味しいよ!」
尚子はいつになく優しい笑顔を俺に向けている。
「あ…あぁ…新鮮そうだもんな…楽しみだ」
「そうだね!行こう〜!」
尚子は俺の少し前を歩き出した。
あんなに見たがっていた断崖絶壁は、もういいんだろうか?
俺の方が名残惜しそうに背中を振り返ると、絶壁に打ち寄せた波が白い飛沫を散らしていた。
絶壁を一望出来る峠に登り、尚子は囲ってある柵に手を乗せて身を乗り出しながら、日本海の荒波を食い入いって眺めていた。
自然が作り出した光景は、人の力なんて無力に等しい事を思い知らされる。
最初は気が乗らなかった俺も岸壁に打ち寄せる波に、無意識に引き込まれていく。
「凄いな…」
「うん…」
どれくらい時間が経ったか気にしない程…
二人とも黙って見入っていた。
でも体内時計は、働いていて
ぐぅぅぅ〜!
間抜けな音が響いてしまった。
「あ…腹鳴った…」
気不味く腹を押さえると
「ふふふ…賢は花より団子だね!ご飯食べよっか!この付近はお魚が美味しいよ!」
尚子はいつになく優しい笑顔を俺に向けている。
「あ…あぁ…新鮮そうだもんな…楽しみだ」
「そうだね!行こう〜!」
尚子は俺の少し前を歩き出した。
あんなに見たがっていた断崖絶壁は、もういいんだろうか?
俺の方が名残惜しそうに背中を振り返ると、絶壁に打ち寄せた波が白い飛沫を散らしていた。