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『間違い』電話
第16章 『報復』
ザワッ!


叫び声に遠くに居る観光客も、騒然とした。


「賢…静かに…」


殺される!
死にたくない!
助けてくれ!!


「止めてくれっ!!」


「賢…」


尚子の声が聞こえると、心臓が萎縮して苦しくなる。


おれは地面に縮こまり、身体をまるめて地面に這いつくばった。


すると…


「ふふ…やだぁ…賢ったら、そんなに驚く事ないじゃない〜あははははっ!」


尚子は楽しそうに笑い出した。


「え…どういう…事だ?」


状況が掴みきれず恐る恐る顔をあげると、尚子は顔を真っ赤にさせて腹を抱えている。


「あは…後ろ…誰って言っただけで、死にたくないって…あははは!私が何かするとでも思ったの〜?」


違うのか…?


どうやら…思い違いだった様だ…。


「なんだよ…迫力あったから…」


「何よ〜!迫力って!酷〜い!」


「はは…ごめん……ははは…」


「ふふふ…」


俺は脱力して、そのまま地面に寝っ転がり


「はぁ…格好…悪…」


薄暗い空を見上げて、ほっと息を吐き出した。


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