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『間違い』電話
第16章 『報復』
「こんな時間に…誰だよ…」


気怠い身体を起こすと、尚子が先に起き上がりスマフォを取って俺に差し向ける。


「緊急なんじゃない?」


「あぁ…出てみるよ…」


電話も気になったが…
目が笑っていなかった尚子の顔も心に引っ掛かった。


「もしもし…野上です…あっ!」


電話の主は…麻里の母親だった。


以前数回会った事はあり面識はあった。
今回の麻里の入院も命に関わるから、病院から連絡が行ったんだろう。


『もしもし…野上さん?夜分にごめんなさいね…麻里がね…』


ドックン…


「麻里が…」


麻里に…何か起きたのか…。


チラリと尚子を見ると一瞬目を合わせたが、何も気にした風でもなく隣の部屋に行ってしまった。


「麻里…どうかしましたか?」


『そうなの…だから野上さんには急いで伝えておきたくて…麻里ね…』


「え……」


ピチャン…


遠くで水音が聞こえた…。


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