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『間違い』電話
第16章 『報復』
「はい…分かりました…わざわざ有難うございました…」


通話を終了してスマフォを枕元に置くと、襖が開き隣の部屋から尚子が戻ってきた。


「はい…賢…喉乾いたでしょ?」


グラスに入った水を差し出してきた。


さっきの水音はこれだったのか…


漠然と思いながら、グラスを受け取る。


「有難う…」


一気に水を飲み干すと、心なしか淡い匂いが鼻腔を衝いた。


その間に尚子は無表情で俺のムスコからゴムを外し、ジップ付きのビニール袋に入れている。


「尚子…ゴム…どうすんの?」


「うん…記念に取っとくわ…」


「取っとくって…」


使用済みのゴムをどうする気なんだ?


異様な行動に寒気を感じると、尚子は能面の様な顔でゴムを眺めながら


「麻里…どうしたの?」



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