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『間違い』電話
第6章 『接近』
「なんだよ…俺と麻里が何なんだよ…」


「ふふ…麻里さん…幸せね…いいなぁ~。お祝いしないとね…記念になる様な…賢さん、何がいい?」


急に顔を上げて、ニコニコと笑う。


その笑顔の裏に…何か企んでるんじゃないかと、疑ってしまう。


「お祝い…?」


「うん!」


ゴクリ…唾を飲み込んだ…。


一か八かだ…。


「マイクロSD…渡してくれないかな…」


ホテルの映像が映った記録…。


「え……それって…」


尚子は驚いた顔をした。


「頼む…旦那さんの事は…何かあったら協力するから…麻里を巻き込まないでくれないか!」


悲痛な声で哀願した。


俺も軽率だった…でも、麻里は何としても守りたかった。


こうなってみて、改めて思い知らされる。


尚子は遠い目をして


「そう…私と賢さんの…思い出なんだけどな…」


「俺との思い出なんて…要らないだろう!旦那さんの事で、疲れてるんだよ!」


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