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『春のほどけ …戻れない距離』
第2章 「卯月」―揺れと否定
1
「いよいよ明日は、待ちに待った入学式ね」
めいは、わたしを優しく腕枕し、そう、言ってきた…
「うん、そうねぇ、なんか、あっという間だった感じがする…」
「そうね、弥生は、旦那さんが亡くなってから大変だったもんねぇ…」
「え、あ、うん…でも、実家だし…
今、思えば、あっという間だった…」
そう言いながら、めいの胸元に顔を寄せ、目を閉じる…
「夜勤明けだから、少し眠る?」
「ううん、帰る、色々しなくちゃならないし」
「うん…そうだよね…」
「うん」
わたしは、そう呟き、ゆっくりと起き上がる。
「そっか……」
身体を離す…
温度が、抜ける。
あれから…
休みだけではなく、夜勤明けでも、逢いにきてしまっていた。
理由なんて、もうない…
ただ、ここに来てしまう。
つながりが…
前よりも、深く、近く…
強くなってしまったみたい。
なのに、埋まらない…
まだ…
空いたまま―――
それは…
「じゃあ、明日の入学式でね…
あ、明日は、夫も来るから、弥生には、初お披露目だねぇ…」
と、めいは、目を揺らしながら、言ってくる。
そう…
二人の間には、もう一人いる………から。
昔みたいに、二人では、ないから―――
「うん、めいの旦那さまに会えるの、楽しみだなぁ……」
それは、嘘……
「……え……な、なんか、嫌だ……なぁ………」
「ううん、楽しみ……」
本当は…
できることなら…
一緒の空気さえも、吸いたくはない。
「なんか……嫌……」
めいは、ベッドサイドに飾ってある、家族三人の写真を、チラと、横目で見る…
「ううん、楽し…み………」
本当は、この、寝室も………嫌。
だから、わたしは、まだ、この写真を、ちゃんと見ない…
見れない。
だって、その存在を見てしまったら…
もっと、二人の隙間が、開いてしまいそうだから―――
「いよいよ明日は、待ちに待った入学式ね」
めいは、わたしを優しく腕枕し、そう、言ってきた…
「うん、そうねぇ、なんか、あっという間だった感じがする…」
「そうね、弥生は、旦那さんが亡くなってから大変だったもんねぇ…」
「え、あ、うん…でも、実家だし…
今、思えば、あっという間だった…」
そう言いながら、めいの胸元に顔を寄せ、目を閉じる…
「夜勤明けだから、少し眠る?」
「ううん、帰る、色々しなくちゃならないし」
「うん…そうだよね…」
「うん」
わたしは、そう呟き、ゆっくりと起き上がる。
「そっか……」
身体を離す…
温度が、抜ける。
あれから…
休みだけではなく、夜勤明けでも、逢いにきてしまっていた。
理由なんて、もうない…
ただ、ここに来てしまう。
つながりが…
前よりも、深く、近く…
強くなってしまったみたい。
なのに、埋まらない…
まだ…
空いたまま―――
それは…
「じゃあ、明日の入学式でね…
あ、明日は、夫も来るから、弥生には、初お披露目だねぇ…」
と、めいは、目を揺らしながら、言ってくる。
そう…
二人の間には、もう一人いる………から。
昔みたいに、二人では、ないから―――
「うん、めいの旦那さまに会えるの、楽しみだなぁ……」
それは、嘘……
「……え……な、なんか、嫌だ……なぁ………」
「ううん、楽しみ……」
本当は…
できることなら…
一緒の空気さえも、吸いたくはない。
「なんか……嫌……」
めいは、ベッドサイドに飾ってある、家族三人の写真を、チラと、横目で見る…
「ううん、楽し…み………」
本当は、この、寝室も………嫌。
だから、わたしは、まだ、この写真を、ちゃんと見ない…
見れない。
だって、その存在を見てしまったら…
もっと、二人の隙間が、開いてしまいそうだから―――

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