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娘がホストで作った借金の返済のためにAVに出ちゃうママさん
第2章 後編
数日後の昼下がり。

喫茶店の隅の席で奈実はハルヤと向かい合っている。

「えっ!? 1000万円??」

奈実は、信じられないものを見るような目でハルヤを見つめていた。

「そっ。正確には1016万円」

ハルヤは相変わらずの軽薄な笑みを浮かべ、コーヒーのカップを揺らした。

「俺もまさか、こんなにバズるとは思わなかったですよ。まあ、リアル人妻が日常空間でハメ外しちゃう……っていうコンセプトが、スケベ共に刺さったみたいっすね」

ハルヤは満足げに肩をすくめる。

目の前の男が稼ぎ出した金額に、奈実の思考は完全に停止していた。

「で、約束通り折半なんで。晴香ちゃんの借金はチャラ。で、残りの8万円」

ハルヤが差し出したのは、無造作に封筒に突っ込まれた8万円だった。

奈実は、テーブルに置かれた封筒を無言で見つめた。

込み上げてくるのは、静かな怒りだ。

ひと時の享楽のために500万円もの借金を作った娘は、救いようのないバカだ。

その回収のために女を喰い物にするハルヤは、最低のクズだ。

自分は毎日、10円、20円を節約するためにスーパーの特売を回り、家計をやり繰りしているというのに。

どいつもこいつも、バカとクズばかりだ。

何より許せないのは、あれだけ恥ずかしいことをされ、屈辱を味わされたというのに、その対価が、たったの8万円だという事実だ。

娘は汗一つ流さずに借金が消え、このクズ男はやりたい放題やって500万円を手にしたというのに。

馬鹿馬鹿しい。

これまで家族を第一に考え、自分を律してきた自分が、ひどく滑稽に思えた。

もう、どうでもいい。

だったら自分も、好き勝手に生きてやろう。

奈実はテーブルの上の封筒を、無造作に突き返した。

「ねえ」 

「はい?」

「ホストって、そんなに楽しいの?」

ハルヤは、ニヤリと唇を歪めた。

「もちろんですよ。奈実ちゃんも興味ある? よかったら俺の店、案内しますよ」

奈実は窓の外に視線を向けた。

「そうね……じゃあ、お願いしようかしら」

【完】
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