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2026人質交換を託された女 (下巻)
第1章 救出
頭上の照明が入り、白い光が一気に広がる。闇が押し戻され、壁と床と檻の位置が浮かび上がる。隊員たちの銃は下げられ、照準が人質から外される。
「……救出に移行せよ」という声がした。その声は無線を通していなかった。
隊員が中に入り、しゃがみ込む動きに合わせ、里紗の胴体に回された縄が引き寄せられる。彼女は隊員がナイフを手にしたのを見つめ、緊張が先に解けた瞬間、全身の力が抜け、目を閉じた。刃が体に密着した縄の繊維の上をなぞり、押し込まれる。張り詰めた圧が一点に集まり、縄が切り裂かれる。胴体に巻き付いた帯が解かれるが、拘束の感覚は、そのまま体に残されていた。
隊員は肩と背に手を回し、里紗の状態が起こされる。体の動きが追いつかないまま、姿勢だけが変わり、彼女の背中が男の目に晒される。
「……ここまでされていたのか……」
隊員は里紗の猿ぐつわの布にナイフを当てた。彼女の頬が締め付けられ、「ンン…」と声が漏れ、その直後、布が切り裂かれ、結び目が彼女の口から外される。すぐに声が出なかった。隊員の防弾チョッキをまとった衣服から、銃を撃った後の火薬の匂いが、ふっと空気に乗り、漂ってきたからだ。
「……救出に移行せよ」という声がした。その声は無線を通していなかった。
隊員が中に入り、しゃがみ込む動きに合わせ、里紗の胴体に回された縄が引き寄せられる。彼女は隊員がナイフを手にしたのを見つめ、緊張が先に解けた瞬間、全身の力が抜け、目を閉じた。刃が体に密着した縄の繊維の上をなぞり、押し込まれる。張り詰めた圧が一点に集まり、縄が切り裂かれる。胴体に巻き付いた帯が解かれるが、拘束の感覚は、そのまま体に残されていた。
隊員は肩と背に手を回し、里紗の状態が起こされる。体の動きが追いつかないまま、姿勢だけが変わり、彼女の背中が男の目に晒される。
「……ここまでされていたのか……」
隊員は里紗の猿ぐつわの布にナイフを当てた。彼女の頬が締め付けられ、「ンン…」と声が漏れ、その直後、布が切り裂かれ、結び目が彼女の口から外される。すぐに声が出なかった。隊員の防弾チョッキをまとった衣服から、銃を撃った後の火薬の匂いが、ふっと空気に乗り、漂ってきたからだ。

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