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2026人質交換を託された女 (下巻)
第1章 救出
体が引き上げられ、一瞬ふらつき、隊員の胸に手が添えられる。里紗の足裏の感触が曖昧になる。踏み出す一歩が重かった。
里紗と葵が檻の外に出た際、他の女性行員は隊員に付き添われる形で、順番に動かされていく。2人も歩かされ、隊員たちに誘導されるまま、体が従い、階段を上る。
行員通用口の扉は、突入時の爆発で吹き飛ばされ、もうなくなっていた。その先はブルーシートが、視界を奪っていた。外は見えない。切り取られた道の中だけを進む。
光が変わり、強くなっていた。空気が入れ替わり、人の声が増えていた。
里紗の先に、人が立っていた。動かず、じっと里紗を見つめた。里紗の視界が霞み、その人物に固定される。他へ逸れることがなかった。
隊員に体を支えられ、ゆっくりと距離を詰めていく。里紗は、その人物の前で止まった。
「……よく頑張ったな……」
それは、英の声だった。
里紗の体の支えが、一気に抜けた。英の胸へ、体の重さがそのまま預けられる。顔を埋め、涙が男の白シャツに、目立たない染みを作っていく。
里紗と葵が檻の外に出た際、他の女性行員は隊員に付き添われる形で、順番に動かされていく。2人も歩かされ、隊員たちに誘導されるまま、体が従い、階段を上る。
行員通用口の扉は、突入時の爆発で吹き飛ばされ、もうなくなっていた。その先はブルーシートが、視界を奪っていた。外は見えない。切り取られた道の中だけを進む。
光が変わり、強くなっていた。空気が入れ替わり、人の声が増えていた。
里紗の先に、人が立っていた。動かず、じっと里紗を見つめた。里紗の視界が霞み、その人物に固定される。他へ逸れることがなかった。
隊員に体を支えられ、ゆっくりと距離を詰めていく。里紗は、その人物の前で止まった。
「……よく頑張ったな……」
それは、英の声だった。
里紗の体の支えが、一気に抜けた。英の胸へ、体の重さがそのまま預けられる。顔を埋め、涙が男の白シャツに、目立たない染みを作っていく。

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