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 不倫遊戯
第8章 (8)
イクマは事務所にいた私を見て明らかに動揺していた。

「ど、どうした?」

イクマがやや震えた声で言うと

「これ。仕事の見積書じゃない?忘れてたみたいだから持ってきたの」

イクマは見積書が挟んであるファイルを受け取ると

「確かに忘れてた。でも、何で今なんだ?」

「さっき見つけたの」

ファイルをポンッと叩き

「ありがとう。助かったよ。まだ、仕事あるから先に帰ってて」

「わかった」

私はイクマの頭からつま先まで視線を移動させ

「暑いの?」

イクマは額の汗を拭い

「応接室を掃除してたんだ。汗だくだ。暑くてたまらないよ」

すると、応接室から女の子が出てきて

「奥様ですか?私は事務員の葉月綾乃といいます。いつも社長にはお世話になっています」

イクマはドギマギとした様子で葉月を見ていた。

「二人で掃除?」

私が言うと

「ええ。そうです」

私は微笑んで

「すみません。無理矢理頼まれたんじゃないんですか?」

葉月は手を振り

「そんなことありません。ちゃんと残業代を出すって仰っていただいたので」
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