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後輩遊戯。体力あるのね、あなたって
第24章 終焉(1)
いつもの会社の景色が、今までと違ってみえるのは矢部くんとの距離を置いたことが原因かな。あれから、会社の内外で矢部くんと身体を重ねることは無くなったけど、矢部くんからのラインや電話は前よりもむぢろ多くなってきた。

深夜にも電話がかかってくることがあって、

「美香さん、話したいことがあるんです」

そういいながら、決まって大事な話ではなかった。あえて用事を作ったような、そんなたわいも無い電話ばかりだった。

「そんなこと今日言わなくてもいいでしょ…明日、会社で会ってから言えばいい話しでしょ」

彼の気持ちは痛いほど分かっているの。可哀想だと思いながら、傷つけないような言葉を選んで話しをしたつもり。でも、「電話やラインは節度ある程度で」と「深夜の電話はやめてください」ということだけはきちんと約束してもらった。

会社ですれ違うときや、彼と仕事の話をするときは普段通りに彼に接することに努めた。今の矢部くんには、過去と今では私のことも違ってみえてるのかな。でも違って見えるのは、私もそうだからね。

前と変わったことは取るに足らないような小さなことで、食べ物の好き嫌い、服装の好み、好きな異性のタイプ…そんな大きなことはいつもと変わらない。これからも普段通りの毎日を繰り返すだけ。

ある日の午後。矢部くんと喫茶店で話をした。

矢部くんから、「お酒を飲みながら話しましょう」、と云われたが私はそれを断った。お酒を飲みながらでは冷静さを失ってしまう。お酒に飲まれて、せっかく締めたはずのネジがまた緩んで、正しい判断ができなくなるのが凄く怖かった。

私は彼を少なくとも傷つけた。だから、その責任はとらないといけない。だから私も多少の傷を負う必要がある。だから彼に何を言われてもいい。傷つけられてもいい。怒られてもいい。それぐらいは受け止める覚悟はあった。

話の堂々巡りだけは時間の無駄だから、しっかりと話しあうつもりでいる。そして、彼の心を弄ぶことだけは避けないといけない。

「本当にお別れですか?」と彼は哀願の眼差しで私を見つめた。何を言われても私の気持ちは後戻りはしない。
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