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シアター"名画座"で逢いましょう
第16章 "名画座"の崩落
朝倉と日菜子の性の宴は夜通し行われた。
強靭な彼の肉体は日菜子がギブアップするまで何度も何度も求めてくれた。
前夫が抱いてくれなかった日々を取り戻すかのように、日菜子も彼に応じて、性の宴が終わった頃には東の空が明るくなり始めていた。
二人でシャワーを浴びていると、朝倉が唐突に「なあ…俺、今日非番だからさあ…不動産屋に行かないか?」と日菜子に言った。
「不動産屋?」
「ああ、この部屋さあ、二人で暮らすには手狭だろ?
それにほら、今の間取りじゃダブルベッドさえ置けないし…」
「そんな…無理しなくてもいいわよ」
前夫の広と比べて、彼のお給金は雲泥の差と言ってもいいほどに安月給だったから、日菜子としては出来るだけ倹約したかったし、自分もパートとして働きに行くつもりだった。
だが、朝倉は何がなんでもダブルベッドが欲しかった。
広いベッドなら夜の生活がバラエティーに富むと思っていた。
「住み替えるならどこがいいかしら?」
「派出所の近くがいいな。ほら、近いと朝もそれだけゆっくりできるしさ」
「いいわね、あの辺りは再開発されて大きなスーパーも出来るみたいだし、買い物をするにしても楽だわ」
「よしっ!決まりだ!善は急げって言うから、支度が出来たら出掛けよう」
シャワーを終えて着替えを済ますと、小さな手鏡を頼りに日菜子がメイクを始める。
ファンデーションをひと塗りする度に綺麗になってゆく日菜子に欲情して、朝倉がバックハグで抱きしめる。
「あ~ん、もう!メイクが出来ないじゃないの!」
「いや、どんどん綺麗になってゆく日菜子を見ていたら、やっぱり出掛けるのをやめて、このまま愛し合いたいなあ~って…」
「ほとんど寝ないで愛し合ったじゃない
それにほら、私の体が悲鳴をあげているわ。股関節が痛くてたまらないのよ」
マジで日菜子の股関節は悲鳴をあげていた。
あれほど股を開かれっぱなしで責められたのだから当然だった。
だが、その痛みは日菜子にとってとても幸せな痛みだった。

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