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シアター"名画座"で逢いましょう
第8章 清掃係の三智子
劇場のロビーでは支配人が自ら売店の飲料水のボトル補充をしていた。
「支配人、お先に失礼します」
「なんだい、三智子さんも帰るのかい…
今日はやけに女の子がさっさと帰ってしまうから私は大忙しだよ」
ブツブツ言いながら、支配人は三智子の背後に立つヒョロヒョロのサラリーマンに気づいた。
「あれ?そちらさんは?まだお客さんが残ってた?」
「あっ…この人は…トイレで気分が悪くなったとか言ってるので、病院に連れていってあげようかと」
三智子は咄嗟に嘘をついた。
「そうかい。厄介事は御免だからね。うまくやっておいてくれるかい」
そう言いながらもクンクンと鼻をならして「ん?なんかウ○チの臭いがしないかい?」と怪訝そうな顔をした。
それに対しては、変な言い訳はご無用だと「じゃあ、失礼します」と、そそくさとその場を後にした。
劇場の向かい側、一階は焼き鳥屋で、その二階が居住区になっていて、そこの角部屋が三智子の借りている部屋だった。
「ほら、遠慮しないで入って」
男を部屋に招き入れるというシチュエーションに、本当ならドキドキするのだろうけど、ウ○チ臭い男を招き入れる事で何だか貧乏くじを引いてしまったような感じで、まったく胸をときめくような気分ではなかった。

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