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エロ本を拾っただけなのに2 ~熟母・香代子~
第25章 《無邪気な微笑みに隠された妻の罠》
──【2024年 冬〜春(4月)】

1月も終わろうとしているある日の夜。
905号室でくつろいでいた聡と優香のもとに、香代子が「少し、話があるの」と、神妙な面持ちで訪ねてきた。

リビングのソファに向かい合って座る3人。
香代子は膝の上でギュッと手を握りしめ、聡と打ち合わせをした通りの「完璧な嘘」を、時折声を震わせながら丁寧に紡ぎ出した。

「実は……私、お腹に赤ちゃんがいるの。年明け前に少しお付き合いしていた人がいて……でも、もうその人とは別れてしまって、連絡も取れないの。……だから、この子は私1人で育てていこうと思ってるの」

告白を聞いた優香は、言葉を失い、目を丸くして母を見つめた。
その隣で、聡も「初耳だ」とばかりに、見事な驚きの演技を見せた。

「本当ですか、お義母さん……。相手の男は、責任を取らないと?」
「ええ……。だらしない母親でごめんなさい、優香。聡さんも、ご迷惑をおかけして……」

香代子が深く頭を下げると、聡はすかさず温かい声をかけた。

「迷惑だなんてとんでもない。……お義母さんが1人で産んで育てるという覚悟を決めたなら、俺も、もちろん優香も、全力でサポートしますよ。このマンションで、一緒に新しい命を守っていきましょう」

聡のその優しく頼もしい言葉は、優香の心にも深く響いたようだった。
優香は驚きから立ち直ると、ふわりと柔らかい笑顔を浮かべ、香代子の手を取った。

「お母さん……最初はびっくりしたけど、私、嬉しい。まさか、お母さんと同じ年に出産することになるなんて思ってもみなかったよ」
「優香……怒ってないの?」
「怒るわけないじゃない。私が産む子と、お母さんが産む子。……同い年なんだから、きっと兄弟みたいに仲良く育つね。一緒に頑張ろう、お母さん!」

無邪気に喜ぶ娘の姿に、香代子は安堵と、ほんの少しの罪悪感、そして聡との秘密の絆の深さを噛み締めながら、静かに涙を流した。
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