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エロ本を拾っただけなのに2 ~熟母・香代子~
第26章 《すべてを見透かした妻の微笑み》
──【2024年 春(4月)】
「……やっぱり」
静寂に包まれた病室で、優香の口からこぼれた冷たい刃のような一言。
その瞬間、聡の全身からサッと血の気が引いた。完全に虚を突かれたのだ。
「え……あ、いや、優香。何を言ってるんだ? 次の子って言うから、俺たちの2番目の子の話かと……」
あの常に冷静で、すべてを支配してきた聡が、かつてないほど動揺し、しどろもどろになって言い訳を並べ立てた。
しかし、優香はふうっと短くため息をつくと、先ほどの氷のような表情を一変させ、春の陽だまりのような、優しく穏やかな微笑みを浮かべた。
「ふふっ。もう、誤魔化さなくていいよ、聡さん。……全部、気づいてたから」
「……何に、気づいてたって言うんだ?」
背筋に冷たい汗を流しながら、なおもとぼけようとする聡。
そんな夫の顔を見つめながら、優香は我が子の頭を撫でるのと同じような優しいトーンで、残酷な真実を並べ始めた。
「ばればれだったよ。お母さんの様子が、どんどん変わっていったもの。急に若い服を着るようになったり、香水を変えたり。……聡さんが『管理人室で仕事をする』って言って、朝まで帰ってこない日もあったし」
「それは、本当に仕事で……」
「お母さんと2人でキッチンに立っている時も、ただの義理の親子にしては、距離が近すぎた。……それにね」
優香はそこで言葉を区切り、聡の目を真っ直ぐに見つめた。
「ふとした時に、お母さんが聡さんを見る目。……あれは、私が聡さんを見つめるのと同じ目だった。愛している男の人を見る、女の目だったよ」
聡は息を呑んだ。
完璧に隠し通せていたと思っていた。しかし、同性であり、同じ男を愛している優香だからこそ、香代子の変化という些細な綻びを、誰よりも正確に感じ取っていたのだ。
「そこからの、あの都合の良すぎる妊娠の報告。……お腹の子の相手は聡さんだって、頭のどこかでは分かってた。でも、認めたくなくて、ずっと見ないふりをしてたの」
「優香……」
「でもね、今日、この子を産んで、抱きしめた時に思ったの」
優香は腕の中の小さな命を見つめ、愛おしそうに微笑んだ。
「……やっぱり」
静寂に包まれた病室で、優香の口からこぼれた冷たい刃のような一言。
その瞬間、聡の全身からサッと血の気が引いた。完全に虚を突かれたのだ。
「え……あ、いや、優香。何を言ってるんだ? 次の子って言うから、俺たちの2番目の子の話かと……」
あの常に冷静で、すべてを支配してきた聡が、かつてないほど動揺し、しどろもどろになって言い訳を並べ立てた。
しかし、優香はふうっと短くため息をつくと、先ほどの氷のような表情を一変させ、春の陽だまりのような、優しく穏やかな微笑みを浮かべた。
「ふふっ。もう、誤魔化さなくていいよ、聡さん。……全部、気づいてたから」
「……何に、気づいてたって言うんだ?」
背筋に冷たい汗を流しながら、なおもとぼけようとする聡。
そんな夫の顔を見つめながら、優香は我が子の頭を撫でるのと同じような優しいトーンで、残酷な真実を並べ始めた。
「ばればれだったよ。お母さんの様子が、どんどん変わっていったもの。急に若い服を着るようになったり、香水を変えたり。……聡さんが『管理人室で仕事をする』って言って、朝まで帰ってこない日もあったし」
「それは、本当に仕事で……」
「お母さんと2人でキッチンに立っている時も、ただの義理の親子にしては、距離が近すぎた。……それにね」
優香はそこで言葉を区切り、聡の目を真っ直ぐに見つめた。
「ふとした時に、お母さんが聡さんを見る目。……あれは、私が聡さんを見つめるのと同じ目だった。愛している男の人を見る、女の目だったよ」
聡は息を呑んだ。
完璧に隠し通せていたと思っていた。しかし、同性であり、同じ男を愛している優香だからこそ、香代子の変化という些細な綻びを、誰よりも正確に感じ取っていたのだ。
「そこからの、あの都合の良すぎる妊娠の報告。……お腹の子の相手は聡さんだって、頭のどこかでは分かってた。でも、認めたくなくて、ずっと見ないふりをしてたの」
「優香……」
「でもね、今日、この子を産んで、抱きしめた時に思ったの」
優香は腕の中の小さな命を見つめ、愛おしそうに微笑んだ。

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