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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第105章 狂おしき慈愛の果てに ――裏切りの受精――
静まり返った寝室に、二人の激しい息遣いだけが重なり合う。時雨崎は我に返ると、自身の犯してしまった事の重大さにハッと表情を強張らせ、慌てて澪の身体を優しく揺さぶった。
「澪さん……っ、ごめんなさい、我慢できなくて、中で……! あ、洗わないと……! 今すぐバスルームに行って、中の精液を洗い流しましょう……っ」
焦燥感に駆られた時雨崎は、澪の細い身体を抱き起こし、バスルームへと連れて行こうとする。しかし、澪は完全に脱力したままシーツに沈み込んでおり、一歩も動こうとしなかった。それどころか、時雨崎の腕に身を預けたまま、虚ろな、けれどどこか満たされたような瞳で彼を見つめ返した。
「……いいの、律弥くん。このままで、いいから……」
「え……? でも、もし子供ができたら大変です……っ」
「もう、身体が動かないわ……すごく眠いの……」
澪は小さく微笑み、時雨崎の心配を宥めるように、これまで伏せていた秘密を穏やかな声で明かした。
「大丈夫よ。実はね、私……避妊リングを付けているの。だから、そんなに心配しなくていいわ」
「避妊リング……?」
「ええ。避妊率はコンドームと同じくらい高いのよ……」
その言葉に、時雨崎は驚きつつも、どこか複雑な思いを抱かざるを得なかった。既婚者である彼女が、なぜそれを装着しているのか。そこにある背景に考えが及び、完全に納得しきれたわけではなかったが、これ以上、眠気に瞼を落としかけている澪を無理に連れていくことはできないと、時雨崎は彼女をバスルームへ運ぶことを諦めた。
時雨崎がシーツをそっと引き上げ、彼女の身体にかけようとしたその時、澪はうわ言のように小さく、けれど決定的な甘い言葉を漏らした。
「……あなたに、直に愛してもらえて……今、私の中に、律弥くんの温かいものが入っていて……すごく、心地よいわ……」
夫以外の男の熱をその最奥に宿したまま、それを愛おしいとすら感じてしまう。自らを背徳の温もりに委ね、それに完全に包み込まれていた。
時雨崎はそんな彼女の頭をそっと胸元に抱き寄せ、その髪に優しく触れた。やがて、快楽の宴を終えた二人は、互いの体温を分け合うようにして、静かに、そして深い眠りへと落ちていった。
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