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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第29章 白昼の裏切り生絶頂
羞恥に身を悶えさせ、必死に否定する澪。風呂の縁を掴む指先が、屈辱と昂ぶりのために白く強張っている。生挿入による妊娠の危険だけは何としても避けなければならない。その一線だけを守るために、彼女はさらに掠れた声で続けた。
「……お願い。挿入(なか)は……勘弁してください。……代わりに、口で……しますから……。だから、今は……」
それは、今の自分に差し出せる最大限の譲歩であり、最悪の妥協だった。挿入という決定的な行為を先延ばしにし、取り返しのつかない事態を防ぐために、自らの口を汚すことを提案する。その言葉を口にするだけで、澪の自尊心は粉々に砕け散り、その破片が心に深く突き刺さる。
雄一は、竹垣を掴む指にさらに力を込めた。 妻が自分以外の男に、自ら跪いて奉仕することを提案している。そのあまりにも屈辱的で、同時に究極に淫らな申し出に、雄一の頭脳は沸騰せんばかりの衝撃を受けた。 愛する妻が、生身で繋がる恐怖を遠ざけるために、その口で別の男の欲望を直接受け入れようとしている。その矛盾に満ちた防衛と堕落の姿。
(澪……君は……そこまでして、拒んでいるのか……)
雄一は、自らの喉を必死に押さえつけ、絶望と昂ぶりが入り混じった熱い吐息を、初夏の乾いた空気の中に逃がした。妻が生挿入を拒もうとする理性に、どこか安堵に似た救いを感じながらも、一方で、その口が別の男に汚される瞬間を激しく渇望している自分。
目の前の楽園では、鬼頭が満足げに目を細めた。彼は澪の腰を掴んでいた力を緩めると、その指先で彼女の顎を優しく、しかし強引に上向かせた。
「……いいだろう。お前のその健気な覚悟、まずはその口でしっかりと受け止めさせてもらうよ」

鬼頭は満足げに鼻を鳴らすと、濡れた岩の感触を愉しむように、ゆっくりと岩風呂の縁に腰を下ろした。
その目の前に、全裸の澪がしなやかな動きで膝をつく。初夏の陽光が、彼女の白い背中から項にかけて、残酷なほど鮮明な輪郭を描き出していた。昨夜、あの部屋で鬼頭から執拗に叩き込まれた「口淫教育」の記憶が、澪の脳裏に生々しく蘇る。舌の動かし方、喉の使い方、そして男を服従させるための視線――。
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