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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第36章 汚されない愛
鬼頭はタクシーを拾うと、当然のように澪を伴って乗り込んだ。車内では、夫への罪悪感に押し潰されそうな澪がただ黙り込み、視線を落としている。対照的に鬼頭は、獲物をその巣穴まで送り届けることを愉しむかのように、ゆったりとシートに背を預けていた。
タクシーが自宅前に着くと、鬼頭は躊躇なく車を降り、エントランスまで澪に付き添った。鍵を開けて家に入ると、そこには不安げな表情で立ち尽くす雄一の姿があった。
「ただいま……雄一さん……。こんなに遅くなって、本当にごめんなさい……」
「澪! 良かった、無事だったんだね……」
雄一が駆け寄ろうとした時、澪の背後から鬼頭が音もなく足を踏み入れた。
「夜分に申し訳ない。今夜の商談だが……いや、彼女は実に優秀だ。非の打ち所がないプレゼンテーションだったよ。だが、相手の男も一筋縄ではいかなくてね。なかなか承諾を得られなかったんだ」
鬼頭はあえて言葉を切り、戸惑う雄一を値踏みするように見つめながら、卑猥な含みを持たせて笑った。
「そこで鴫原君にひと肌脱いでもらってね。彼女がそのすべてを武器にして大活躍してくれたおかげで、無事に仮契約まで漕ぎ着けた。男という生き物をどう扱えばいいか、彼女は実によく心得ている。……また来週、期待しているよ、鴫原君」
鬼頭はそう言い残すと、凍りついた雄一の様子を楽しむように口端を歪め、夜の闇へと消えていった。
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