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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第38章 シースルーの検品
神楽坂のオフィスを後にし、ようやく重圧から解放されるかと思ったのも束の間、鬼頭は静かな、しかし拒絶を許さない足取りで澪をタクシーへと促した。行き先は、西新宿にある鬼頭の持ちマンション。一見、洗練された高級住居に見えるその一室は、鬼頭が自らの欲望を完遂するために作り上げた、歪んだ「スタジオ」だ。
車内での沈黙を破ったのは、鬼頭の低く、どこか熱を帯びた声だった。
「よくやったな、澪。……神楽坂さんがこれほどまでに身を乗り出すとは思わなかった。君の仕事ぶりと……あの『誠意』のおかげだ」
仕事の場では頑なに「鴫原くん」と呼んでいた彼が、今、隠そうともせずにその名を呼ぶ。それは、彼女を一人の秘書としてではなく、契約によって縛り上げた「愛人」として扱うときの合図。澪は逃れられない運命を悟り、膝の上で紙袋を強く握りしめた。
マンションの部屋に入ると、あの異常な存在感を放つキングサイズのベッドと、すべてを曝け出すガラス張りのバスルームが澪を迎え入れた。かつて夫の雄一とともに絶望の契約書に署名した、あの忌まわしい空間だ。
鬼頭はジャケットを脱いでソファの背にかけ、落ち着いた、しかし有無を言わさぬ口調で澪を見据えた。
「澪。その袋の中身……神楽坂さんに贈られた下着を、今ここで着けてみてくれないか」
「……っ! ですが、これは明日、神楽坂さんの前で着けるようにと言われたものです。今は、そんな……」
澪は思わず後ずさり、精一杯の抵抗を試みた。しかし、鬼頭は静かに首を振った。
「忘れたわけじゃないだろう? 君と、君の夫が私と交わした『愛人契約』のことだ。私は君のすべてを管理する立場にある。君が拒めば、せっかく順調に進み始めた雄一くんの立場も、君たちが守りたい家庭も、どうなるか分かっているはずだ」
家族の名を優しく、しかし脅しを含んで出され、澪は言葉を失った。喉の奥が引き攣り、反論の言葉が涙とともに飲み込まれる。
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