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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第14章 昨日の甘さと、明日からの恥ずかしさ ~週末と週初の狭間で~
<彩香SIDE>

日曜日の午前中、彩香はまだ昨日の甘い余韻に包まれながら、自宅の掃除をしていた。

頰が自然と緩む。
健治さんの温かい手、逞しい胸、耳元で囁かれた低い声……

特に「お前は俺の彩香だ」と優しく抱きしめられた感覚が、
何度も胸の奥で蘇っては、彩香を幸せなため息にさせていた。

「ふふ……」
小さく笑いながら掃除機をかけていた彩香は、リビングの棚の前でふと動きを止めた。

棚は二つに分かれていた。左側は彼女が長年集めてきたアニメ・小説コーナー。
『新世紀エヴァンゲリオン』、『とある魔術の禁書目録』、『ひぐらしのなく頃に』、
『名探偵コナン』の単行本やBlu-rayが綺麗に並んでいる。

右側は、まったく違う世界が広がっていた。80年代から90年代のアイドルやアーティストの切り抜きが、厚いファイルに丁寧にまとめられている。
『安全地帯』、『中森明菜』、『チャゲ&飛鳥』、『岡田有希子』……。

どれも彩香が母親と一緒に聴いていた懐かしい曲ばかりだ。
その隣には野球関連の資料がずらり。
横浜DeNAベイスターズの切り抜き帳、選手名鑑、ファンクラブ会報。
そして、F1レーサーのアイルトン・セナの特集冊子まで大切に並んでいた。

彩香は少し照れくさそうに微笑みながら、勉強机の方へ視線を移した。
机の上に敷かれた透明のプラスチックシートの下には、
彼女が昔から好きだった男性たちの写真が挟まっていた。

若い頃の藤竜也、野球選手の秋山幸二、緒方耕一……。

どれも精悍で、男らしく、
どこか父親のような包容力や貫禄を感じさせる顔立ちの人物ばかりだった。

(……やっぱり、健治さん、すごく似てる……)
彩香は頰を赤らめながら、指でそっと藤竜也の写真をなぞった。
昨日の健治さんの渋い笑顔と、口ひげの雰囲気、
そして優しく包み込むような眼差しを思い出し、胸がきゅんっと鳴る。

ベッドの上に目を向けると、そこにはいつも一緒に寝ているぬいぐるみたちが並んでいた。
ふわふわのくま、うさぎ、いぬのキャラクターたち。
そして、横浜DeNAベイスターズのマスコット「DB.スターマン」が、
ちょこんと座っている。
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