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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第19章 会社で疼く恋~平日の秘密の距離/木曜日~
<健治SIDE>

夜 21時20分 大内健治 自宅マンション

健治はトレーニング部屋の床にヨガマットを敷き、日課の筋トレを終えたところだった。
Tシャツが汗で体に張り付き、逞しい胸板と腕の筋肉がくっきりと浮き上がっている。
口ひげを軽く指で拭いながら、深く息を吐いた。

(……今日の電話、彩香の声がかなり震えてたな)

2回電話したが、特に午前中の緊急確認電話のことが、頭から離れなかった。
オフィスにいた健治は周囲に人がいる中、
できるだけ平静を装っていたが、彩香の震えた可愛い声が耳に残りすぎていた。

(誰かに変に思われなかっただろうか……。
 彩香が心配しているだろうな)

タオルで汗を拭き、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して飲んでいると、
スマホが振動した。彩香からのLINEだった。

彩香 21:21

お疲れ様です、健治さん( ; ω ; )
今日の午前の電話……みんながいる前で話してましたよね?
あの……健治さん、私のこと「彩香」って呼んでましたけど……
職場の人に変に思われませんでしたか……?
ずっと気になってしまって(・-・)・・・
[怯えたうさぎスタンプ]

健治は画面を見て、低く小さく笑った。
口ひげの端が緩む。

(……避けようとしてるはずなのに、こんなに素直に連絡してくるなんて。
本当に可愛いな)
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