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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第20章 会社で疼く恋~平日の秘密の距離/金曜日~
14時40分 神奈川支店 13階 企画部 

彩香は自分のデスクに座り、資料を眺めているふりをしながらも、
頭の中はさっきのミーティングルームでの出来事でいっぱいだった。


健治さんの低い声、厚い胸板の感触、額に落とされたキスの余韻……。


無意識に頰が熱くなり、ペンを握る手が微かに震える。
そこへ、企画部の女性サブリーダー・高浜さん(35歳)が、
コーヒーカップ片手に近づいてきた。

明るいショートヘアに、気さくな笑顔が印象的な先輩だ。

「彩香ちゃん、ちょっといい?」

高浜さんは彩香の隣の空いている椅子を引き寄せて座った。

「最近さ、なんか様子おかしいよ?
 声が上ずったり、顔真っ赤にしたり、午後になるとぐったりして……
 体調大丈夫? 風邪でも引いた?」

彩香は慌てて背筋を伸ばし、笑顔を作った。

「……あ、大丈夫です!
 ただちょっと寝不足で……雨の音が気になってしまって」


高浜さんは目を細めて彩香の顔を覗き込む。

「ふーん。寝不足ねぇ……。
 なんか悩みでもあるの?
 最近特に、報告の時とか健治課長の近くを通るたびに挙動不審っていうか……」
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