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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第25章 二人の甘い土曜日~背中に甘える女と、過去の影を秘めた男②~
――

20年以上前、名古屋の夜

当時の健治は、その職場の若手エースとして社内でそこそこ顔が売れていた。
身長175cmの引き締まった体躯、鋭い眼差しに整った顔立ち。
まだ皺は深くなく、若々しい精悍さが女を惹きつけた。
口ひげはまだ生やしていなかった。


「可愛ければ、それでいい。」

それが彼の唯一の基準だった。



金曜の夜、いつものバー。

「健治さん、また新しい子連れてるねー」

常連の女性が苦笑する中、
健治はカウンターで隣に座ったばかりの22歳の派遣OLにグラスを傾けていた。

キャピキャピした子だった。

笑うと目が細くなるのが可愛い。

「仕事終わりにこんなところで飲んでるなんて、疲れてるでしょ? 俺が癒してあげるよ」

言葉は甘く、視線は堂々と彼女の胸元を這う。

30分後には「ちょっと散歩しない?」と外へ連れ出し、タクシーの中で唇を重ねていた。

翌朝、彼女の部屋で目を覚ますと、健治はもう服を着ていた。

「連絡するよ」と言いながら、実際に連絡することは二度となかった。


社内の後輩・由香(24歳)との一件。

真面目で控えめな子だった。

残業で遅くなった夜、
健治は「送るよ」と車に誘い、いつもの手口で公園の暗がりに停めた。

「俺、ずっと気になってたんだよね。お前みたいな純粋な子」

由香が頰を赤らめて俯くと、彼は満足げに笑った。

付き合い始めて1ヶ月。

社内では誰にも言わず、週に一度だけ彼女の部屋に通った。

由香「もっと一緒にいたい」と言うたび、健治は「仕事が忙しい」とかわした。
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